Long Shot/ホロウ・シカエルボク
 


夕暮れの名残を街の灯りが飲みこんで
一斉に路面を照らすヘッドライトは起床の景色を思わせる
これから、のひとたちがにわかに活気づいて
ここまで、のひとたちがアイフォンを眺めながらバスを待っている
ひととひとがまるでちがう風景を選びながら
ときおり遠くを見やる目にたいした違いはなく
そう、オリコン・チャートに涙出来る日常とでも言うのか、そんなものを
垣間見せながらさまざまな動力でここを通過してゆく


アスピリン詰め込んだ胃の中はブルー
暖かいと目論んだ薄着はわずかに見当違いで
ときどきふるえながらだけどどこにも帰りたくはなかった
あたたかなコーヒーでそれはごまかせる
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