飛ぶ鳥,落ちる鳥(鋭角と季節のはじめ、台風の間)/はるな
 
たり閉めたりできます、しかし、ある状況のなかではわたしの意志は役に立ちません、それは、箪笥の開閉に限ったことではないのです.だから心配する必要はあまり無いです.それは、多くの物事と同じように、ある不安を孕んだひとつの考えに過ぎないのだから.

わたしはかつて、わたし自身のなかにドアーを持ってはいなかった.それはいつのときも人間には必要なドアーです.だけどわたしはそれを持っていなかった時期がある.

いまは違います、わたしはドアーを持っています、わたしはそこからわたし自身を出したり、いれたりすることができます.ただ、誰かがそこから入ってくるかどうかということは、わたしの関与できる部分ではあり
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