大きなお皿/はるな
かなしみに
一番ちかい子はだれですか、
と
神様が聞いたら
だれも手をあげなかった
神様は
ため息をついて
ごほうびをあげるよ
と、
うしろを向いた
そのとたん、
観覧席の大人たちが
いっせいにたちあがって
かなしみを叫ぶので
神様は
すこしわらって
もっとたくさんのかなしみを
みんなに与えてくれました
手をひいて歩く子どもたちは、
みんなしっていたよ
かなしみを薄める水は
べつのかなしみで
それは
おいしいものを食べ続けた夜に
チョコレートパイを受け付けない
みたいなものなんだって
神様は
もちろんしっていた
子ども
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