大きなお皿/はるな
 
どもたちはいつも
かなしみの真ん中にいて
漕ぎだすボートを譲り合っている
だれも手をあげなかったこと、
責めるつもりもなかった

そのときに
大人たちは
おおいそぎで
大きなお皿にかじりついていた
歌がもうないから
おかわりをくれと
がちゃがちゃとわめいていた

差し出された悲しみを
平らげるのが得意だね

神様は
子どもたちと
ボートをつくりたいけど
みんな
すぐに大人になってしまうから
ひとりでボートをつくっている


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