朽ちた世界に降り積もる渇いた灰のささやかな音/ホロウ・シカエルボク
、麻痺させられているかのような…じりじりとした微弱な電流だ、なにかに気付かせまいとするノイズだ、僅かな音でも気をそいでしまう、そんな種類の…抗うことは得策ではない、神経は消耗品だ、摩耗してゆくのだ、研ぎ澄ませようとすればするほど…気付いたときには劣化した電線のように焼け焦げて細くなってしまっている、流れに乗りながら見極めることだ、流れに乗りながら見極めることだ、あとどれだけ残っているのか…動くための機能は、あとどれだけ残っているのか…朽ちた家の張り出した屋根を叩く雨の音はどこかのドアをノックし続ける知らせみたいに聞こえる、お知らせです、遅すぎた、もう遅過ぎた…どこか新しいものを当たってください、こ
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