朽ちた世界に降り積もる渇いた灰のささやかな音/ホロウ・シカエルボク
と…一日の間止むことがなかった雨のためにそんな言葉は生まれる、どうでも構わないことをひとりで喋るみたいに、ぽつぽつと…ぽつぽつと、降り、床を打ち、流れてゆく、ベルトコンベアの上の部品にひとつずつボルトをはめ込み続ける工員みたいに、ぽつぽつと…ぽつぽつと…染み込んでゆく、染みついてゆく、リズム、どうしてそんなもののために、みそぎはあるのだろうか……同じ景色がうっすらと見えるだけだからカーテンを引いたままでいる、どうせこんな日は太陽など出ることはないし、窓越しに何が起こっているのかは知ることが出来るから…寝床の上で胡坐をかいてこんな日に濡れ続けているものたちについて考えた、役目もおぼろげにしか判らず、
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