朽ちた世界に降り積もる渇いた灰のささやかな音/ホロウ・シカエルボク
 





ヒスノイズ駆け巡る頭蓋骨抱えて朦朧する呆然のミッドナイト、乾燥気味の手の平で触れる顔は、切り刻まれた死体のように味気なくて空洞だ、どうしようもない睡魔を抱えたまま雨が落として行く一分一秒を眺めていた、通る…通り過ぎてゆく夜、透過的な百鬼夜行、この身に障りながら…風の中で瞬間に腐敗して渇き灰になりさらわれてゆく、日常という名の血肉、砂漠の砂のようにサラサラだ、蓄積しないものはゼロに等しい、確かなものは頭頂部の割目から抜け出して行く、霊魂が身体から抜けるみたいに…肉体はその余波を模倣して揺れる、だけどそれは正確な揺らぎとは途方もなく遠い、抜殻はだけど存在で輪郭ははっきりしていて、こ
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