笑うカスタネット/m.qyi
 
うな気が
する。石原さんの短歌の本質は、勿論、石原さんの創造性だ。しかし、喚起される創造性
は、石原さんが創造したものというよりは、読者の「個人」的存在としての創造性だろう。
そこに、芸術としての普遍性があり、人間としての「個人」の探求や救いがある。

最後に、「霧カウベル」という詩を紹介してみよう、
{引用=

霧カウベル



母親の 茶色い

誕生日の カウベルぶるさげ

タバコが 寝間着すら持たず

財布で 夜と繰り出し





憾喚恨魂

ちっぽけな ヒメゴトを ロータリーを

寒肝困痕

かけめぐる おのが隈音にいら
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