笑うカスタネット/m.qyi
歌、或いは詩としては成り立っているだろう。その証拠にあなたは笑って読んだだろ
う。理屈が通らないところをなんで笑うことができるんだ。
僕は、石原さんの歌の基調は個人の探求で、その場に価値など見出されるはずはなかっ
た、作者当人も最終的にそう思ったであろうと強調して述べた。もし、そうだったとした
ら、その無意味な場所に、なぜ美しさや笑いがあるんだろうか。矛盾ではないだろうか。
美しさなんて曖昧なものだ。嘘もつけるだろう。しかし、腹筋を動かす笑いとなるともっ
とハッキリしているではないか。人生なんて死んでいくのだ。その死んでいく工程を生き
ると呼んでいるんだ。死んでいくと生きるという
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