ほんとうの真夜中の在り方は知らねえ/ホロウ・シカエルボク
 
しない哀しみのタペストリ
存在し得ない言語を
手に余るほども抱えたような
真夜中の物言わぬ争乱
すでに分裂症を抱えた
卵の中で目を開く雛鳥
音波のように眼球は震えていた
ほんとうに真っ白な空っぽな夜明けを
幾度となく俺は見てきたよ
執着だけを残したまま
気体になったヒトのような気分さ
音符のひとつもない
ピリオドだけの楽譜の終楽章さ
長く息を吸い込んだらなにもかもが終わっていたんだ
鼠がなにかを求めて天井を鳴らしている
そんな直線的な夢中を
かつて感じたことがあっただろうか?
ひかりのない時間は
どんなものを軸に進行しているの
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