緊急地震速報のアラームをギターで鳴らす/フミタケ
 
積み立てたノートパソコンが落ちて壊れた僕の
家のもっとちょっと北のほう
ローンを組んだ漁船や家やタンカーや人生
がねじ曲げられ打ち上げられ粉々になって
よくわかった
最初からありもしなかった
未来も救いも絶望も天国も地獄も妬みも羨望も
本当は、くさった頭の中にだけあって
ただ空が広がるばかりの
風と餓えと渇きと死体のニオイから いま
踏みだしたステップ
という希望に目を覚まし
言葉を紡ぐか沈黙するか覚悟を決めな
震度7の踏み絵から
金や保身でついに止ったのは誰かの詩の言葉で
心に従い絶えず廻り続けるのは誰かの詩の言葉
モノにあふれた絶
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