緊急地震速報のアラームをギターで鳴らす/フミタケ
 
た絶望の時代は3月11日午後に強制終了し
荒れ地が広がるムの海岸線には希望だけが見える
何が起きているのかわからない
君はただ、足下が濡れてひたされ
僕はあっという間に濁流に押し流され
君は硝子の破片が右足の指を切断し
僕は車のドアに左腕をもがれ
黒い波が君の目をつぶし
肺まで泥まじりの海水を飲み込んで
もう会えないのかと
たくさんの顔が思い浮かべて
安い薬箱みたいに
突然に終わる
オレたちはなんとかできると思って
なんとかしようとしてきたけど
その思い上がりで、こんなことになって
実際はどうにもできないことが殆どで
ほら今もただ
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