ヌーヴェル・ヴァーグという美学 ; 批評“そのもの”として/葉月二兎
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一人は軽快に脚を軽上げ踊る[読者(批評者)]――その実、彼は彼女との甘いランデブー(rendez-vous;"present yourselves"を語源とする )を夢見ているのだが――であり、一人はこの世の実存と虚無、胡蝶の夢についてのイマージュを思索[詩作]巡らせる[作者]であり、残る一人は自らの胸の揺れとそれの効果とを気にする“女性”[作品]である。たった5分足らずのこのシークエンスほど〔作品:作者:読者〕の関係を簡潔に説明しているものはない。それは男と男との一人の女性を巡る恋の戯れであり、必然的にそれはカフェの[沈黙]を破る“彼女”にか
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