祈りの鐘/コーリャ
ただしさを主張する
ゆいいつの拠り所のように
背筋をキシンと伸ばして
黙って漕いでいた
夜道にいつまでも
末っ子の補助輪が
かるかる
鳴っていた
かるかる
/PM6:00
夕方時には戦争のように込み合う駅が
今日に限って無人だった
レールが
懐きやすい夕べに光っていた
その陸だけは
海と地続きだった
/PM2:00
海に来ていたのだ
僕たちのしたがえるものすべてが生まれた場所だから
まあというか
僕たちそのものが生まれたはずの場所だから
海にきたのに
僕たちはこんなにも違う
桟橋で一人
イロスを食べてたら
感
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