時間の流れを動力とした遠心分離装置の性能とその顛末/Six
ろを振り返る
何故だかとても遠い向こうの方に
BさんがAさんに背中を向けているのが
ぼんやりと見える
Bさんは今も判子を押し続けているのだろうか
足元に散らばる紙の量が多すぎて
それが今も新しく生産されているのかどうか
最早判然としない
時間は常に一定の速度で流れ装置は回転を続ける
何故か遠くの方に見えるBさんの後姿のようす
Bさんは判子を押しているのか
それとも別のことをしているのか
Aさんは考える
この足元に散らばる
「愛しています」「愛しています」「愛しています」「愛しています」
の赤い文字の群れ
こ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)