時間の流れを動力とした遠心分離装置の性能とその顛末/Six
 
Aさんに手渡し
 やがてAさんの両手に紙が溢れると
 装置の中いっぱいに

 「愛しています」「愛しています」「愛しています」「愛しています」

 と赤い文字が躍った

 そのようすが
 なんだか可笑しくなったAさんは
 思わず吹き出し
 BさんはAさんの頬に
 キスをしたくなったけれど
 その時足が滑ってまたもやしりもちをつき
 AさんはBさんの手を取って立ち上がらせた

 2人の被験者の上に

 「愛しています」「愛しています」「愛しています」「愛しています」

 と紙吹雪のように降り注ぐ


 時間は常に一定の速度で流れ装置は回転を続ける


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