ブラウン・シュガー・シンドローム/茶殻
 
抱かれているのだろう
   おまえ と呼ばれて あなた とか呼び返しながら 喉を鳴らして咥え込んで
   その日 おまえ枯れすぎ と別れを突きつけられたとき
   俺は出涸らしの玄米茶を注ぎながら歯に詰まった米菓を舌で剥がそうとしていて
   冗談か本気か受け止めかねたまま間抜けに頷きするりと「僕」に寝返ったのだ
   求人誌の皿に盛った枝豆をぷちぷちと食い尽くす
   会員証の更新ついでに仁侠映画でも借りてくればよかった
   (用法と用量を守りながら死を摂取する、誤用で死んでしまうことのないように)
   フラッシュバック――祖母に連れられたサーカスは
   どれがピエロなの
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