ブラウン・シュガー・シンドローム/茶殻
の全ての座席にあなたが腰掛けていて
僕はもう 始めから
許されるか許されないかしか 許されていなかったのだ
(、というダサいレトリック先走るニヒリズムに徹するほかなかったのだ)
夕闇の街はニコラス・ケイジばかり歩いている
団地の中庭で たくさんの子供連れが花火セットを開封して
水道にはミズイロのバケツを持った母親達が並んでいる
明日の朝には戦地の役目を終えた戦地のような姿を晒す
そして許されるのだ 中庭はもうしばらく中庭でいられることを
処女性なんてこれっぽちもないくせに
(ほうら、もう黒猫が隅を横切っている)
今ごろ おまえ は今年っぽい男に今年っぽく抱か
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