ブラウン・シュガー・シンドローム/茶殻
町があるならこんな風じゃないかと思う
お待たせいたしました と機械的にやってくるカレーライスに
お袋の味とかいうありがちな隠し味について味蕾は追憶しない
適度な間隔を開けて肥えた文明的な猿人が席を埋め
その中に色気だとか野性味を求めるのは場違いではあるだろうが
彼らには子供がいて
その以前には相応の手順が踏まれている
愛し合ったディテールが
金庫代わりの電子レンジに仕舞ってあるのなら
俺には訴えることなど何もない
(推定無罪だ、誰の菜食主義も俺にまとわりつくことはないのだから)
通り過ぎる喫茶店の全
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)