ブラウン・シュガー・シンドローム/茶殻
 
町があるならこんな風じゃないかと思う
   お待たせいたしました と機械的にやってくるカレーライスに
   お袋の味とかいうありがちな隠し味について味蕾は追憶しない
   適度な間隔を開けて肥えた文明的な猿人が席を埋め
   その中に色気だとか野性味を求めるのは場違いではあるだろうが
   彼らには子供がいて
   その以前には相応の手順が踏まれている
   愛し合ったディテールが
   金庫代わりの電子レンジに仕舞ってあるのなら
   俺には訴えることなど何もない
   (推定無罪だ、誰の菜食主義も俺にまとわりつくことはないのだから)

    
通り過ぎる喫茶店の全
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