俺の身体を駆け巡る暗く無残なブルース/ホロウ・シカエルボク
俺が俺になったそのときからずっと
暗く無残なブルース、俺の身体を駆け巡るブルース、俺の血となり肉となるブルース
俺は誰もが目を背ける真実になりたい、誰もが目を背ける真実になってあんたの前に立ちたいといつも考えているのさ
暗い夜の窓の外の雨降りの音は俺の孵る場所だ、じめついていない胎盤のことなんか俺は知らない
俺の心は悪性の腫瘍のようさ、呼吸の様に波を打つ醜悪な塊さ、俺はそこから生まれてきたんだ、生きるという意志をもって
あんたの綺麗な服に釣り合うような生き方なんかしたくない
あんたはきっとそんな俺を馬鹿だと言うんだろう、あんたは他人にそういう言い方をするのが好きなやつなん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)