冷たい溶岩流/ホロウ・シカエルボク
 
にかを綴らなければ
どろりとしているものは
傷にならないダメージだけを植え付ける
動脈瘤が
たびたび誰かを殺すみたいに
こと切れる蛇の様な
速度で這いずりながら
重力を植え付けてゆく
心への過重は
どんな類の力でも軽くは出来ないのだ
無灯の部屋を形にするならそれだ
無灯の部屋を重さにするなら
寝床に逆に寝っ転がって
あらゆる流れに抗おうとした
足の場所にある頭には
踏まれる気分が判っていた
こめかみに針の痛み
脳を抜かれた吾身が
影に乗じて
圧し掛かってくる
横になるのを待っていたのか
嫌な音を立てながら
肉体の中に戻ってくる
紗幕が張られた心情が

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