押したい背中/森の猫
が多いんだろう、そしてそれらを老いも若きも、普通もぽっちゃり・・いや年中ダイエット挑戦中の小太り体型の人も着るのだろう。もっと、自分に合ったものを着ればいいのに。ま、個人の自由ではあるが・・・
マリ子の今の会社は都内でも千葉に近く、通勤には片道1時間半はかかった。それも、電車とバスを乗り継ぐ。おまけに年がら年中残業がある。ボーナスまであと十日、もう少しがんばればお金も夏の休暇も手に入る。頭ではそう励ましても、体はクタクタだった。
JRから私鉄に乗り換える途中なんだか、めまいがしてきた。
その時、マリ子の目の前にアノ脂肪のたっぷり付いた山のような背中があった。マリ子は押したい衝動を抑え
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