2006-2007 刺青、あるいは痕跡/はるな
 
が、境界線が、昨日の出来事が、繋がっていることが、繋がっていないことが、繋がればいつかは切れることが、どうしようもなく不安で、こわい。
助けて助けて、の余白と、救ってずっとそばに置いて人形みたいに何もしゃべらなくていいから、「うんわかった」「それだけ」「いつものやつを」と「連絡だけでも」と「もういいから」と暖かいスープに溶けた冷たいまなざし、マウスパッドの凹凸と、一緒だよ、という言葉のうすっぺらさ、わたしの薄さを見透かされたようで、結局ちっとも暖かく感じないよ。すぐに感化されてしまう、弱さを指摘され、動揺、動揺「!」、それを忌む。安定していたいのだ。安定。それをわたしは崇めよう。安定は非常に重
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