菜の花のこと/はるな
 
がないということは非常に不便なのだ。わたしの顔は幼くみえるので、コンビニエンスストアでたばこを買うこともできないこともある。(そのときは、たいてい一緒にいる成人にたのんで買ってもらうのだけど、なんだかすごく後ろめたい。)
免許証の再交付は、わりとあっけなく終わった。わたしは何かにつけお役所仕事(父親がよくこういう言い方をする)は時間がかかるものと決めて必ず読むものを持っていくのだけど、一章読み終わるか終らないかでできてしまったのだ。窓のそとに、桜が気持ちよさそうに咲いているのがよく見えたからかもしれない。とにかく天気のいい昼間だったのだ。

帰りのバスで眠った。乗り物に乗ると、わたしはたいて
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