冷えた四月のかげろう、スライドする真夜中の枝の景色/ホロウ・シカエルボク
 



音がしなくなったらそれは真夜中、立ち眩む心の声が聞こえる、小さなキーを押すときの、浅い水たまりを跳ねるみたいな連続が、今日という一日の記憶、今日という一日の…
四月というのに少し冷えすぎた両の手の指先と、粘っこい溶岩のように流れた一日の残像、あらゆる意味合いで俺はもう、悲鳴を許される場所などには居ないのだ、立て付けの良くないでかい窓のカーテンが、耄碌した年寄りの戯言みたいにゆらゆらと揺れている…明るさとけだるさと、暗がりが入れ代わる生身の動画、そのリアリティーとやらはいったいどこにある、時計の見方が変わった、誤魔化しきれないときだけそうするようになったよ
空っぽの吐瀉物が胃のあたり
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