納骨の日/ゆるこ
たので
丁寧に、抜いてやる
敷き詰められた石がようやく顔を見せた頃、納骨のためにコンクリートで固められた蓋を開けてもらう
大の大人二人掛かりで開けたその穴の中は、いたって普通の、シンプルな作りになっていた
そこに、両手サイズになった母を入れる
ことん。
静かな音をたてながら、小さな倉庫のようになっている場所に母は入った
思えば、母はどんなときでも怒鳴り、叫ぶことはなかった
寡黙という言葉が一番合うだろうか、それは静かな人だった
病気になってからは、枷が外れたように幼く、素直だった母は
父のもとに行って幸せだろうか
「かわいそうに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)