納骨の日/ゆるこ
 
たので
丁寧に、抜いてやる

敷き詰められた石がようやく顔を見せた頃、納骨のためにコンクリートで固められた蓋を開けてもらう
大の大人二人掛かりで開けたその穴の中は、いたって普通の、シンプルな作りになっていた

そこに、両手サイズになった母を入れる


ことん。



静かな音をたてながら、小さな倉庫のようになっている場所に母は入った



思えば、母はどんなときでも怒鳴り、叫ぶことはなかった
寡黙という言葉が一番合うだろうか、それは静かな人だった

病気になってからは、枷が外れたように幼く、素直だった母は
父のもとに行って幸せだろうか

「かわいそうに
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