種屋/山人
 
スの瓶には臓物がグラム単位で売られており、骨や血液、眼球などが所狭しと置かれている。別な場所には、干からびた木の葉や枯れ枝、瘡蓋などの比較的乾燥系の品が置かれている。
 臓物を購入した人は臍の穴を千枚どうしでさらに広げてねじ込んでいるし、店主に手伝ってもらいながら頭蓋を外し、透明な脳味噌を入れてもらったりしている。瘡蓋を買った者は、ぺしゃりと皮膚に擦り付けて揚々と引き上げていくのだった。
 「乾いた風を一つ・・」という客に、店主は向こう側の戸を開け、巨大なビニール袋を掲げて客に渡した。客はあまりの嬉しさに、顔の皮膚がぱらぱらと土間に落ちていくのだった。
 最後は私の番になった。店の奥にある大
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