また どうでもいい話/佐々宝砂
 


必要最低限の衣食住は、なにはともあれ絶対的に「どうでもよくない」ものだ。相対的なものではない。多少の差はあれ、誰にとっても絶対に必要だ。しかし、最低限をちょっと飛び出すと、それは「どうでもいい」かもしれないものになる。不必要なほど、というより危険なほど高カロリーだが、すばらしく美味な食品。不必要なほどのミネラルやビタミンを含むサプリメント。高級建材を使った豪邸。高価な美術品だらけの家。人気デザイナーによる最新ファッション。毛皮に宝石。そういうものは、いかに美味でも高価でも芸術的でも、人命に較べたらかなり「どうでもいい」ものだと思われる。

いきなり翻って、詩はどうかというと、こりゃかな
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