オープンGの季節/ホロウ・シカエルボク
絵具が水に溶けるように
ゆっくりと変わる空の色
きみのハモニカのブルースと
ぼくのストロークのアドリブ
ねじまき時計は喋るのが大好き
流しの蛇口は促されるまで
ずっと、口を、閉じている
明日晴れたときの約束を
忘れてどれだけ経つだろう
ポケットのシアターの半券
あの日の雑踏飲み込んだまま
アベニューを吹き抜ける春は
うつむいた冬を追い出し
ぼくらは慌ててコートを脱いで
腕をハンガーにして歩いた
マクドナルドの店先で
邪魔な自転車蹴飛ばして
きみが鳴らした口笛は
オープンGのロックン・ロール
イェー、イェ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)