ユニコーン/うめぜき
ユニコーンが咆哮するので
必死になってお腹を押さえる
すると君は
まるで星空を抱えているみたいだと笑う
お母さんが歌ってくれた
ある日の子守唄ばかりが耳元で風化していく
耳を開いてしまったせいか
君のけたたましい笑い声が
時々歌声のようだ
頭を撫でてくれるのは風ばかりで
それでも口笛を吹き放つ
ユニコーンが嘶いている
飛沫を上げて駆け出しそうで
つまりは口を塞ぐ
君の唇は柔らかい
愛されることを知ってしまっているからか
私達は宇宙の只中だと背中ばかりが泣いている
不時着した膝の温もりに
昼間の陽射しが隠れていたのは
僕ばかりの気のせいだろうか
ユ
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