Land Scape Goat/雛鳥むく
くるのではなく点滅を繰り返す黄信号が
夜を運んでくるのだから 影絵で遊ぶ手が失
われたから夜は薄暗いのかもしれないと呟く
右手に絡まる影が兎の死骸をぐわりと攫って
いったとき街には三角点が散乱し 空中庭園
のうえから飛びおりていくひとつひとつの清
潔な比喩が骨のない魚の鰓を手入れするのだ
として、
だとしたら、
もしも、
仮に、
と
神話を
量産する
わたしが
ひとつの
神話
だとしたら、
ただひとつの変貌が
わたしの手ではおこなえない
ナイル青の
審判を
待つ
誕生
兎が死ぬ世界にいる
わたしの誕生
兎が死ぬことのない世界にいる
わた
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