殺戮のスモウ取り/オノ
 
物を抱えて雪の中を逃げるなんて
得策とは思えません。
身動きも取れないし、犯人だって食料は必要としてるはずだ。
カモがネギをしょって歩いてるようなものです。」
「いいや。いま客どもが話し合って、ロビーに一箇所に集まって
極力そこで過ごすことに決まったんだ。
俺の勘では犯人の野郎は必ずそこを監視している。
そして誰かがロビーを抜けたら、一人になったところへ
先回りしてじりじり殺していくのさ。一人ひとりね。
だから、奴の注意がロビーに向かっている今、こっそり
逃げ出すことのできる俺だけが、生き残れるってわけさ。」
何て身勝手なやつだ・・・
殺されてしまってもかまわない。
俺は
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