千秋楽/かいぶつ
いに遠くから何かが破裂でもしたかのような大きな音が聞こえた。
驚いて振り向くと少し離れた町の夜空には
大きな花火が打ち上がっていた。
「あっ。」
と誰かが言って、花火はそれから何発も打ち上げられた。
空が燃えるくらいの苛烈さで
私たち全てをショッキングな色とりどりで
目まぐるしく、照らし続けていた。
私はいつのまにか踊っていた。
いつも舞台の上でしていたように。
普段と違うのはここが天井も照明もない学校の校庭だと言うこと。
目の前の鑑賞者がじいさん唯一人だと言うこと。
そして、私は何も剥ぎ取ることのない
小さな頃からダンスと歌だけが唯一の取り柄だった
ご
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)