ドーラン/番田
どに眩しすぎたのだけれど、どこにも行かないというのであれば、冬の太陽の日差しには見あたらないのだとわかった。津波に押し転がされたオモチャのような車たち。行こうとしている場所にだけははっきりしているものだと思えた。何も見あたらない私はどこにいくのだろう。原発は火山のように噴火させられようとしていた。今まさに降りかかろうとしている、怠っていたことが我々の元へとやってきたというのに、なんて気まぐれな民族なのか。ため息として、街に存在させられたすべてのものは満ちていた。
我々に地震の被害がもたらされることはありえるのだろうか。無いとは言い切れない。地震は揺れるものであるからだ。火災のように、決し
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