マリー/ホロウ・シカエルボク
ィ・スミスの
静かな曲だけを
何度も聞きながら
どんなきっかけで
そうなったのか
いまでは
思い出せない
ショートボブの
栗色の髪の毛は荒く
憤りが具現化したように
あちこちが跳ねていた
「なおらないから」と
いつも言い訳していたけど
なおそうと思ったことがあったのかすら
俺には
疑問だった
睫毛は長く
まるでいつでも目の中を隠そうとしてるみたいだった
鼻は高く
突き刺すようで
切り傷のようなくちびるで
針金を引っ掛けたみたいに右側だけで笑う癖があった
首はいつも何かで隠れていた
年に一度か二度
ひどく酔っ払う日があって
ストゥールから
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