生きることを考えたら遠く離れるしかないのだ/吉岡ペペロ
 
らくと曇りのひかりに会えた

そこに向かって走る

外にでてさらに地上に降りきるための行き方をさがした

なにか落ちてこないか確かめながらホテルの敷地を歩いていった

観光バスやひとびとの集団

ここでやっと同時多発テロのときのことを思い出した

もちろんテロの記憶としてではなくて

階段を踏み外しながら一気に降りたから

あとになって足が痣だらけであることにおどろいた

あのときもひとびとは建物ちかくで集団をなしていた

集団を無視してふとい坂道をずんずんと歩いてゆく

崩落があっても塵ひとつ受けないところまで

大通りにでると

工事中の作業
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