ゴミ箱が機能しない/塩崎みあき
らゴミ箱に蓋のようにつかえてしまった。取り出そうと引き戻すと下にある細かいゴミがぽろぽろと外に溢れ出そうになる。いけない。押そうとするとゴミ袋ごと一緒に下のほうに押し込んでしまう。これもいやだ。まだ袋の容量には充分な余裕があるので袋を取り替えたくはなかった。とりあえずそのままにしておいて、絵などを描いて過ごしていた。しかしすぐさま支障がおこる。消しゴムのカス一山、鉛筆の削りカス一杯捨てられない。それどころかホコリ一片、かみの毛一本すら捨てられないのだ。しかしどうしようもない。ゴミ箱はこれ一つしかないのだから。ゴミ箱が機能しない、消しカスを出さないために絵を描くことを止め、ゴミ箱が機能しない、削りカ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)