【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
ボール塔のほ
うに向き直して、それから口を開きました。
「ねえ、あのボール塔が廻りつづけるのって中のひとを誰も出口に通さないためっ
て学校で習ったんだけどホントかな」
「え、なに?」
パシヴィテ。
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「あん?」の響きのリアルさ。聞こえます。それで、ボール塔の説明が初めてなされる(おそらくハミルによって?)そしてムスカは3度目の口癖「え、なに?」そのあとに間髪入れず入るもはや音としてのパシヴィテ。
クライマックスです。
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ハミルはしどけなくいつの間にやらみたらし団子を三本とも平らげていました。
パン、パン、と車の屋根を撃つ音がしてからまもなく、ざあざあと雨が降り出し
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