ヒューム「ベルグソンの芸術論」(6)/藤原 実
そうです。が、一方で「観客に手をふれる演劇」という非難もあびています。
ソンタグはそのアントナン・アルトー(1896-1948)の演劇論こそ「ハプニングがどんなものであるかを、何ものにもましてよく説明している」と述べています。
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「悲劇と同じように、喜劇も必ず生贄(スケイプゴート)---罰を受けて、その見世物が模倣的に表現しているような社会秩序から追放される存在を---必要とする。ハプニングにおいて行われることは、アルトーが、舞台を---つまり観客と演技者とのあいだの距離を---消し去って、「文字通り観客を包み込む」ような見世物を作り出すためにあたえた指針に、忠実に従った結果にす
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