ヒューム「ベルグソンの芸術論」(6)/藤原 実
 
されている感情が陳腐であればあるほど、よいのである」



寺山修司は初期の天井桟敷を回想して「私は見世物からメイエルホリドまでというキャッチフレーズで、巨人侏儒から変身願望者、衣装倒錯症など『いわゆる祝祭的人間』ばかりを集めて、カーニバルを演出することばかり考えて」いたと書いています(『戯曲 毛皮のマリー』:角川文庫)が、彼のなかのキャンプ的要素をうかがわせます。

「アルトーは、私の演劇の入門書」(『消しゴム---自伝抄』)と寺山は言い、天井桟敷の『邪宗門』が海外で上演された際には「アントナン・アルトーの演劇論の実践」(『戯曲 青森県のせむし男』:角川文庫)という評価をうけたそう
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