誕生と死後硬直(スピード)/ホロウ・シカエルボク
高速で変換される血液の濃度が突っ伏したおれの身体中を貫通し熱を塗りつけてゆく、無限のヘアピンカーブに残された感情のタイヤ痕、生はいつもすこし呻き声のような音を立てながら疾走する、誰の為のものでもないレース、たった独りの高速のループ、目を開いていることが出来なくていくつもの事柄が零れ落ちてゆく、そいつらの恨み事が生体のノイズに隠れて軋むドアのような音を立てる、開けるな、開けるな、開けるな、そのドアを、そのドアには絶対に曝してはならないものばかりが積み上げられている、おれは体勢を変え天井を見る、天井には明かりだけがある、いつだって頭上には明るく照らすものだけが見える、そうだろ、思えばいつだ
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