【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
 
対して問うということは、既にそこにあるものを、再解釈しようとすることも含む。それゆえ、あなたは詩の存在の原因分析を、自分に求めることになる。そして主体が働き掛けた結果としての詩を、目の当たりにすることになる。
この二つの不一致――詩の存在の遠さ、詩の存在の近さ――の間にはとてつもない隔たりが感じられる。私たちはそれをついさっき手放し、一方では持っているとした。この二つの差異を埋めるものはないようにさえ思われる。というのは、両者の違いが、詩の意味の位置付けを流動的なものとみるか、固定的なものとみるかのどちらかである、ということによる。前者の詩は私の手の中になく、後者の詩は私の手元にある。詩とは何か
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