【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
向に陥ってしまう。言わば、「詩」で考えてしまうのだ。私たちは自分にとっての詩の位置付けを、現存する言葉の区別から考えようとするが、それは言葉のもつ物質性を認めようとするだけであり、その根底にある空白のイマージュを捉えることはない。そのために、詩以外のジャンルとの差異ばかりが目についてしまい、詩を劣ったものと見做したりする。二、「イメージ」という語の汎用性の高さ故に、私たちは純粋な、真っ白な心像に直面しても、それを「イメージ」として捉えることをしていない。これが書くことを書くこととして捉えることのできない問題の発端である。私たちは書くことによって空白のイマージュに直面しているにもかかわらず、書くこと
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