歩道橋についての夕方と朝方/ブライアン
った。死ぬまで働いてやろうと思っていた。住んでいた家は風呂なしのトイレ共同の木造住宅。エアコンはなかった。窓の外には蜂の巣があり、窓を開けることさえできなかった。ただただ、生きたかった。死ぬまで働かないと生きれなかった。生きるすべが見当たらなかったのだ。
いつも立ったまま眠っていたし、掃除をしながら眠っていた。会話の途中で眠りに落ちたこともある。きっと、身体は限界だったのだろう。それでも生きたかった。お金が必要だった。
歩道橋の上、秋の冷たい風。朝日はまだあがらない。いつまでも待っている。人が通り過ぎる。赤いシミを見て驚き、鼻のティッシュを見て苦笑いする。歩道橋にもたれかかりながら、相槌を
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