벚꽃 / ****'03/小野 一縷
 
ました

「ボク悪くないもん!!」
「ボクだけがなんで責められるのさ!?」
「ボクの家に その汚い足で上がらないでよ!!」
「ワーン 言いつけてやる パパママに エライ人に 言いつけてやる!!」
「在日のくせに!!」

その高貴な育ちゆえに 彼は 兄弟ケンカすらしたことがなく
当然 殴られたことも 殴ったこともなく
女の子の手みたく その拳には 一つの傷もありません
いや 女の子の手にだって もう少し 傷があります

痛みって感覚を知らなかったのです
傷つけられるって事に 彼は無縁で育ったのです

さて
この ナグリコミには とりまきの 下女共も驚きました
けれ
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