そして誰かがお終いの合図を出すのを待つ/ホロウ・シカエルボク
 
の心を肩代わりしているみたいに見える
つまらない映画を早送りするみたいに
雲が流れ続けている、ここ数日
零下の風を浴び続けて
口下手に拍車がかかってるやつの
胸元にはたいてい詩人と書いてある
台所の水滴
硬く硬く栓を閉じたはずなのに
気まぐれに振動に押し出されるいくつかの水滴
俺はいったいどちらを呪うべきだろうか?
秒針の音がしない時計では
時間が進んでいることが判らない
そんなレベルに俺も支配されているのか?
ゆっくりなくらい息を吐いた、不自然なくらい細く長く
ある種の恍惚とともに死んでしまうかと思った
俺には死んでしまうだけの理由があ
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