装殖/01
 
錠剤首輪
鎖の先は生
空腹時は首輪を飲み込む
そうして誰かに吼えている
そうして誰かに噛みついている
泣き叫ぶ声の中に笑みが浮かぶ
醜いその顔に
柵の中で暮らす豚の肉をぶつけたい

真鍮ネックレス
人工宝石は有終の美
骨になる前に錆びてほしい
骨になる前に濁ってほしい
飾り立てた君の顔は何処
面の分厚いメッキ剥がしてみたい


裸の君の左手薬指に指輪をはめないで
財布の中の紙切れを渡した
そこにかいてある数字は別れの言葉だと
賢者達は気付いている

外は灰色
建物の中にヒトが納まっている
歩道にも車の中にも
灰色の中で規則正しく灰色に収まっている
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