故 中川路良和 詩作品より/まどろむ海月
 
と分かってきました。
 この場をお借りして、彼の作品を多くの人に一読していただくことになれば、生前からこの全作品についての処遇を任されていた私にとっても幸甚ですし、もって彼の冥福を信ずる結果にもなろうかと思います。
 今ここに一つ一つ彼の詩句を打ち込みながら、このナイーフな思春期の心の吐露と繊細な表現は、ついに私には果たしえなかったものであったし、ますます遠くなるばかりの昨今だなあと思うにつけても、私の中での輝きは増していくようです。




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 ? 黙失


窓べのそばの大きなこずえの満ちたる葉のあいさから

白い花が
名も知らぬ花が散ってゆく

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