生じるゼロ/ホロウ・シカエルボク
 


温度差が酷い、オレは上着をたくさん着込んで新しいフレーズをモニターしている、時々モールス信号のように脳裏に忍び込む信号は一度話したことを繰り返し語るばかりで
オレは冷蔵庫から冷えたミルクを取り出し紙パックに口をつけて何度か飲む、湿ったパックが舌先に触れて、まるでパピルスを犯しているみたいな気分になる、「加工されて、オマエはどんなものとも上手くやれるんだろう、文学とねんごろだったあんなひとときは、もう二度とやっては来ないのかい?」
温度差が酷い、温度差があり過ぎる、オレは凍えたり安堵の息を漏らしたりしている、ソファーにもたれて新しいフレーズをモニターしている、新しいフレーズ、それはま
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