気球/ああああ
にわとり小屋から逃げ出したにわとりなのか、それともどこか別のところから迷いこんだにわとりなのかは、結局よくわからなかった。
ぼくはこのころからクラスのみんなにきらわれはじめたようにおもう。ぼくのけしゴムやうわばきを放り投げて木の枝に引っかけてとれないようにしたり、肩やももの筋肉のところを叩く遊びをしたりして、直接いやなことをしていたのは、竹内君や寺沢君だけだったが、ほかのみんなもぼくに冷たい態度をとるようになっていった。ぼくがはなしかけても「いや別に、こっちの話」とか「あっそ」っというような返事で、あまり関わりを持ちたくなさそうなしらけた感じのふるまいをしていた。
にわとりが教室に入ってき
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